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それを妹よ、僕はオシコメが壊す人の、あるいは盆地自体の発する告知の音を拒んだのだというより、個としての自分への告知は耳栓で排して行動の自由を確保しつつ、全体としての地鳴りによる「住みかえ」の進行を百年間にもたらされた村=国家=小宇宙の偏向の立てなおしに向けて、有効に機能させようとしたのだとみなしたい。
H2お神楽に限らず、父＝神主はそのようにして、谷間と「在」の民俗を混乱させもしたのだから。
さてオシコメの指導する「復古運動」の、原理の面から見た最大の逸脱は、さきに姿を隠した壊す人の指導性を絶対化するあまりに、かつてかれらとともに村＝国家＝小宇宙を創建し、百歳を越えてなお働きつづける老人たちをないがしろにする気風を、若者たちにうえつけたことだった。
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H3大怪音時の後半のことだ。
そして個人的なつながりからその消滅に悲しみをいだいたもと家族たちも、ついにはその悲しみが、幻にひきおこされた悲しみだというふうに、感じ始めてしまうようだったのだ
