卒業生のケニーさんによるyoutubeサムネイル講座が始まります。
妹よ、父=神主は、もと旅芸人のわれわれの母親を正規の妻とはしなかったが、村=国家=小宇宙の伝承の研究に疲れた真夜中には、乱酔して胴間声を発しつつ、谷間で一番高いところにある三島神社の社務所から、大雨のたびに汚水の中に漬かるわれわれの家へと大きい躰を運びおろして来た。
H2そしてそれは単なる偶然ではなかった。
実際にそういうことは起こりえぬのであるが、もしわれわれの双子としての誕生以後、谷間と在に新しく生まれて来る者らがみな、同じく双子であったとしたら、それら一組ひとくみにやはりほとんど一つの名をあたえることにより、戸籍上の実数とは別に、象徴的な効果としては、二人の人間がひとつの戸籍を共有して、もうひとりの不在証明を確保するという、亀井銘助の死後その遺志をついで実現した仕組は復活されるのだから。

- 母親
- 原重治
- 牛鬼
H3五十日戦争の最初の勇敢な戦死者の魂を記念するために。
しかも「在」にある、洪水から無疵な家屋に分散してゆかず、谷間にかたまっている民家こそを徴発するのでなければならない。